第6回アフターレポート

【アフターレポート】(感動冷めやらず・・長文です)
2月18日(土)第6回HITOTOKI 暮らしの和文化セミナーは
「唐紙としつらえ」と題して、京から紙 唐長11代目夫人・唐長IKUKO主宰の千田郁子様をお招きしてお話を伺いました。
「唐紙(からかみ)」と言えば「唐長」と思い浮かべられる方も多いと思います。来年で初代唐紙屋長右衛門・創業から400年を向かえられる「唐長」。
京都(=日本)で唯一続く唐紙屋として、現在までの約60年を11代目千田堅吉様とともに歩んでこられた郁子様に、インタビュー形式でお話を伺いました。
お話しのところどころに、郁子様ならではの“おちゃめなダジャレ”も登場しセミナーは和やかなひとときになりました。
ライブに参加できなかった会員の皆さまは、まもなくアーカイブをUp しますので、是非ご覧ください。
「唐紙」の魅力はもちろん、郁子さんのお人柄、生き方、心のありよう・・・も、お話しから存分に感じていただけることでしょう。
さて、少し内容に触れますと堅吉様との二人三脚の歩みは、伝統ある「唐紙」、代々続く「唐長」でもありつつ、0からの出発でもあったようです。
ただそこには、互いを思いやりながらも『“唐紙”の素晴らしさを伝えたい。』と願うお二人の熱い想いは、年月をかけながらもその後の道を徐々に徐々に切り開いていかれます。
お二人の想いは少しずつカタチ作られ、さまざまなご縁から生み出される新しい唐紙の世界観は国内外から注目され、ロンドンのミュージアムや、エルメスやヴィトンと言ったハイブランドとのコラボにまで発展していくこととなります。
唐紙のお仕事は、すべて「お誂え=オーダーメイド」です。
依頼人の想いを丁寧に汲み取りながら、文様を絞り込み、配色を決める作業は、一つとして同じ仕事はありません。お客様の想いを大切にしながら「Bestな選択だった」と皆が納得するお仕事を積み重ねてこられたお二人だからこそ、“唐紙”だけにとどまらない“心豊かな暮らし”そのものを生み出されてこられたんだなとあらためて実感したのでした。
今回は唐長・修学院サロンのお部屋を郁子様にご案内いただきました。約650種の文様と、無限の可能性を秘めた配色を掛け合わせて“唐紙”を産み出す堅吉様と、その“唐紙”を時代に合わせたしつらえでご提案をされてきた郁子様。そのお二人の心を映すお部屋の数々。郁子様の解説付きサロンツアーはとても充実した楽しいものでした。
当日のライブ配信をアメリカからご覧いただいていた参加者の方からは「サロンでのいろんな和モダンなアイディアを見て、うちの家にもぜひ唐紙を取り入れてみたい!」とメッセージを頂き、リモートでもその魅力が伝わり嬉しく思いました。
もっともっとお話しを聞いていたい・・と、後ろ髪をひかれつつあっという間の1時間30分。京から紙の魅力、唐長の素晴らしさ、郁子様の女性として、人としての魅力の詰まったお話しの数々に生きる「希望」「勇気」までいただて、ますます郁子ファン急増です。
堅吉様・郁子様ご夫妻の歩んでこられたこれまでに敬意を表し、ますますのご活躍と唐長様の末永いご繁栄を心よりお祈りしています。 ありがとうございました。
【追伸】
訪れた唐長様には、弥生三月を前に三体のお雛様が飾られていました。

千田家のお雛様、郁子様のご実家のお雛様、

 

そして郁子様還暦の折に頂かれた「還暦雛」

「三条サロンのOPENは、60歳だったんよ! 毎日走り回った日々だった・・」と振り返る郁子さんの満ち足りた素敵な笑顔が印象的でした。

千田 郁子

千田 郁子(せんだ いくこ)

京からかみ 唐長 十一代目夫人 唐長IKUKO主宰

 

「唐紙」というと桂離宮や二条城を初めとする文化財建築、またお寺やお茶室の襖・戸袋等、和風建築の内装を思い描かれる方も多いと思います。
現代では、ホテルやレストランの洋空間の壁面を彩る日本の技として広く展開され、また文様においてはタイルや食器・ファブリックといった新たな分野への展開。50年に渡り、家業の唐長を11代千田堅吉と共に携わり、唐紙の普及に努めて来た。

【経歴】

・2000年4月から9月まで京都新聞夕刊に「唐紙のある暮らし」をテーマに全25回連載記事

・2004年7月 京都市中京区にて唐長三条サロン開設

・2015年1月 NHKプレミアム50分特集番組 唐紙ー千年の文様の美」に出演

・2016年5月 コトコト舎より「唐長IKUKO」128頁出版

・2016年6月 婦人画報に「唐長IKUKO]出版についての特集記事掲載

・2016年9月 ユナイテッド・アローズ六本木ヒルズ店にて唐紙コーナー開設

・2016年10月 唐長三条サロン閉店

・2016年11月 唐長修学院工房にて唐長IKUKOアトリエショップ開設

・2017年7月 エルメスとのコラボ、唐紙表紙のリフィル限定販売

・2018年2月 きものSalon2018春夏号にモデル掲載

・2021年12月 唐IKUKOアトリエショップ閉店