第7回アフターレポート

【アフターレポート】(感動に浸ってま~す)

4月15日(土)第7回HITOTOKI 暮らしの和文化セミナーは
「暮らしの中の伝統文化 掛軸」と題して、京都・西本願寺前  宇佐美松鶴堂 9代目 宇佐美直八様にお話を伺いました。

セミナー当日、
床の間の掛軸が、五月・端午の節句にちなんで直秀(直八のご本名)様が誕生された時にお祝いに頂かれた「兜」の絵に掛け替えられました。
そんな光景を拝見しながら、「掛軸」は、まさに客人を向かえる時の亭主(家人)の心を表現するものなのだなと あらためて気づかされたのでした。

そんな中始まったセミナー。
「掛軸」を扱う宇佐美様のお仕事は「表具・表装」と呼ばれる分野で、例えば 襖、障子、額装、天袋、屏風、衝立など和紙や裂地を貼る内装具を制作されています。また「文化財の修復」にも携わられ、博物館や社寺秘蔵の品々を手掛けられています。

その中でも、今回は「掛軸」をテーマにその魅力を掘り下げて語ってくださいました。

・そもそも「掛軸」とは?
・ 日本固有のもの?それとも・・
・「掛軸」のつくりやその呼称
・「掛軸」の分類・格付けとその意味
・ 表具表装の重要な要素「裂地・和紙・糊」について
・ 取り扱いのポイント   等など

とにかくひとつずつが、深くて面白いお話しでした。
日本の生活文化には「美」が寄り添っている。そんな印象を強く受けました。
長く続いてきたからこそどんどん知恵が積み重なり
美意識が研ぎ澄まされていくのだなと感じました。

また、表装・表具に欠かせない素材として、京都西陣の裂地、全国各地の和紙の産地・・・等さまざまな伝統産業が関わり合いながら、ともに活かしあい引き立て合う、無くてはならない存在であるコトにも気づかされたのでした。

また, 宇佐美松鶴堂様では、長年日本国内のみならず海外の後継者育成や情報交換にも力を注がれてきました。今は技術だけでなく、その精神も受け継がれた方たちとともに交流を続けながら「掛軸の文化・表具の文化」を未来に繋ごうと日々取り組まれておられることにも 心打たれたセミナーでした。

宇佐美様、貴重なお話しと資料の数々本当にありがとうございました。宇佐美様と奥様の温かいお人柄、おもてなしのお心にも学ばせていただいたひとときになりました。心から御礼申し上げます。

是非、たくさんの方に表具・表装の世界「掛軸」の魅力をお伝えしたく思います。

ココでは伝えきれない宇佐美様直伝の「掛軸」のセミナーは、アーカイブ(見逃し配信)でご覧いただけます。
(期限7月21日まで)
年会員の皆さま、また4月単発受講でお申し込みの皆さまには、大変お待たせいたしました。個別にご案内いたしますのでご確認くださいませ。

また「知らなかった!」「見逃した!」「未だ申し込めてなかった!」という皆さま。
今からでも今年度年会員(4回分)のお申し込みを頂いた方には、「掛軸」のアーカイブ(見逃し配信)もご覧いただけます。
詳細は、HITOTOKI事務局まで申込み・お問い合わせくださいませ。

さて
次回は、7月22日(土)14:00−15:30
テーマ:「団扇と扇の文化」(仮)

講師は小丸屋住井 十代目当主 住井啓子様です。

会場は、京都岡崎・神宮道 小丸屋住井(https://komaruya.kyoto.jp/)様のサロンでオンラインと同時にリアル受講も企画いたします。

丁度、祇園祭の先祭と後祭の狭間の土曜日、夏の京都で楽しいひとときをご一緒しませんか?皆様のご参加をお待ちしております。

第6回アフターレポート

【アフターレポート】(感動冷めやらず・・長文です)
2月18日(土)第6回HITOTOKI 暮らしの和文化セミナーは
「唐紙としつらえ」と題して、京から紙 唐長11代目夫人・唐長IKUKO主宰の千田郁子様をお招きしてお話を伺いました。
「唐紙(からかみ)」と言えば「唐長」と思い浮かべられる方も多いと思います。来年で初代唐紙屋長右衛門・創業から400年を向かえられる「唐長」。
京都(=日本)で唯一続く唐紙屋として、現在までの約60年を11代目千田堅吉様とともに歩んでこられた郁子様に、インタビュー形式でお話を伺いました。
お話しのところどころに、郁子様ならではの“おちゃめなダジャレ”も登場しセミナーは和やかなひとときになりました。
ライブに参加できなかった会員の皆さまは、まもなくアーカイブをUp しますので、是非ご覧ください。
「唐紙」の魅力はもちろん、郁子さんのお人柄、生き方、心のありよう・・・も、お話しから存分に感じていただけることでしょう。
さて、少し内容に触れますと堅吉様との二人三脚の歩みは、伝統ある「唐紙」、代々続く「唐長」でもありつつ、0からの出発でもあったようです。
ただそこには、互いを思いやりながらも『“唐紙”の素晴らしさを伝えたい。』と願うお二人の熱い想いは、年月をかけながらもその後の道を徐々に徐々に切り開いていかれます。
お二人の想いは少しずつカタチ作られ、さまざまなご縁から生み出される新しい唐紙の世界観は国内外から注目され、ロンドンのミュージアムや、エルメスやヴィトンと言ったハイブランドとのコラボにまで発展していくこととなります。
唐紙のお仕事は、すべて「お誂え=オーダーメイド」です。
依頼人の想いを丁寧に汲み取りながら、文様を絞り込み、配色を決める作業は、一つとして同じ仕事はありません。お客様の想いを大切にしながら「Bestな選択だった」と皆が納得するお仕事を積み重ねてこられたお二人だからこそ、“唐紙”だけにとどまらない“心豊かな暮らし”そのものを生み出されてこられたんだなとあらためて実感したのでした。
今回は唐長・修学院サロンのお部屋を郁子様にご案内いただきました。約650種の文様と、無限の可能性を秘めた配色を掛け合わせて“唐紙”を産み出す堅吉様と、その“唐紙”を時代に合わせたしつらえでご提案をされてきた郁子様。そのお二人の心を映すお部屋の数々。郁子様の解説付きサロンツアーはとても充実した楽しいものでした。
当日のライブ配信をアメリカからご覧いただいていた参加者の方からは「サロンでのいろんな和モダンなアイディアを見て、うちの家にもぜひ唐紙を取り入れてみたい!」とメッセージを頂き、リモートでもその魅力が伝わり嬉しく思いました。
もっともっとお話しを聞いていたい・・と、後ろ髪をひかれつつあっという間の1時間30分。京から紙の魅力、唐長の素晴らしさ、郁子様の女性として、人としての魅力の詰まったお話しの数々に生きる「希望」「勇気」までいただて、ますます郁子ファン急増です。
堅吉様・郁子様ご夫妻の歩んでこられたこれまでに敬意を表し、ますますのご活躍と唐長様の末永いご繁栄を心よりお祈りしています。 ありがとうございました。
【追伸】
訪れた唐長様には、弥生三月を前に三体のお雛様が飾られていました。

千田家のお雛様、郁子様のご実家のお雛様、

 

そして郁子様還暦の折に頂かれた「還暦雛」

「三条サロンのOPENは、60歳だったんよ! 毎日走り回った日々だった・・」と振り返る郁子さんの満ち足りた素敵な笑顔が印象的でした。

第5回アフターレポート

12月17日(土)

 

HITOTOKI 第5回「暮らしの和文化セミナー」を開催いたしました

ご参加頂いた皆様、誠にありがとうございました。

テーマ:「日本人とうつわ その機能と美の理由」 

講師:京都女子大学教授 前﨑信也 様 (プロフィールはコチラから

HITOTOKIオープニングイベントの講師として皆様にもご好評いただいた先生の再登壇です。

セミナーでは “ 日本人の美意識 “ として 「侘び 寂び」 を再びおさらいしたお話から始まり

 

日本の室内空間の特徴とは?

そこでどのような道具を使ったか?

 

器と言えば伝統工芸

日本は工芸を生むのに最適な環境が揃っている

それには何が必要か?

そして産地はどのようにして生まれるのか?

などなど・・・

 

また、工芸に使われる原料を科学的な視点から考える、という先生独特なお話は

大変興味深いものでした。

最後に先生がお持ちくださった江戸時代の貴重な器を見ながらのエピソードや説明にも

釘付けになりました。

 

ご参加頂いた皆様からのアンケートには

 

「陶芸の深さ、幅の広さを知りました」

「たくさんの具体例を使っての情報をお聴きして、先生のご経験と知識の深さを感じました」

「楽しく流れるように話してくださって、よくわかりました」

 

と感想を頂き

また、印象に残ったお話として皆さんが挙げられた

 

日本の工芸と “水・気候” との関係は

 

第3回セミナー 井上先生の「自然との共生に生まれた日本らしさ」

第4回目セミナー 烏賀陽先生の「日本庭園の見方と楽しみ方」

のお話にも通じるところがあり、日本の文化はそれぞれのテーマがどこかで通じている

と感じたのでした。

 

前﨑先生、素晴らしいセミナーと貴重なコレクションをお持ち頂き、本当にありがとうございました。

これからアーカイブをご覧になる会員の皆様、是非お楽しみください。

第4回アフターレポート

【アフターレポート】

10月15日(土)

第4回目のHITOTOKI 暮らしの和文化セミナーもおかげさまで無事終了いたしました。

今回は「日本庭園の見方と楽しみ方」をテーマに、庭園デザイナーの烏賀陽百合さんをお迎えしお話しいただきました。

ズバリ「“庭”の世界、いいですね。面白かったです!」

もっと知りたい!という気持ちが掻き立てられるひとときでした。

これからアーカイブをご覧になる会員の皆様、是非お楽しみください。

烏賀陽さんの柔らかい話口調と、豊富な知識やエピソードを交えてのお話しは、

今回会場となった 廣田紬「玄想庵」の坪庭のお話しから始まります。

京町家特有の坪庭は、作庭された当時のご当主の想いがこもったもの。

その思いを汲むように、烏賀陽さんの目だからこそ見える庭の石や灯篭、四季を楽しむ植木の一つ一つを解説くださいました。

 

そのお話しにオーナーの廣田様も興味津々。今回のご縁をとても喜んでくださいました。

本題のお話しでは、海外経験の豊富な烏賀陽さんだからこそ語れる“西洋との違い”は面白く、庭を見る視点の違い。自然とのかかわり方の違い。

その一つ一つが目からうろこでした。

また、日本人独特の「見立ての美」、「心の目で見る感性」は、庭をつくる人の想いや、見る側の教養もふくめとても興味深いお話しでした。

「庭」に秘められた楽しみ方は深く広く・・・、知れば知るほどハマりそうな予感です。

当たり前に過ごしている日々にも、四季のある日本だからこそ「移ろう美しさ」を楽しめる幸せをあらためて感じたひとときになりました。

受講された皆さんからも「大満足です!京都に住んでいながら見ていないお庭がいっぱいあることにも気づかされ足を運んでみたい。」「先生のお話しに引き込まれた。庭にこれほどいくつもの魅力があるとは知らなかった。

これから庭を見る時にそのテーマや時代背景を思い浮かべながら見てみます。」等の感想が届いております。 

 

百合先生、素晴らしいセミナーを本当にありがとうございました。

烏賀陽先生には、また折を見て是非2回目、そして実際に一緒にお庭を巡るツアーなどもお願いできれば…と勝手ながら私たちの夢をお伝えしております。

 

皆様どうぞお楽しみに。

 

紅葉を楽しめるこれから、移ろう四季の美しさを味わえるお庭に出かてみたくなりました。皆様も素敵な秋をお過ごしください。

 

次回は12月17日(土)「日本人とうつわ その機能と美の理由」

講師:京都女子大学 家政学部生活造形学科 教授 前﨑 信也氏による

 

楽しい器のお話しです。どうぞご期待ください。

【第3回 アフターレポート】

8月20日(土) 

HITOTOKI 第3回「暮らしの和文化セミナー」を開催いたしました。ご参加いただいた皆さま 誠に有難うございました。

テーマ「自然との共生に育まれた日本らしさ」

講師は 同志社大学 名誉教授 井上雅夫氏

セミナーでは、「日本と自然」「神と人間」「人と人との関係」について具体的に西洋と日本を比較、違いをお話し頂きました。地理的条件や気候風土と言った背景が深く影響し、人間を形成してくコトや、日頃何気なく使っている「言葉」にも日本人の感性が宿っているコト・・など興味深いお話しから、何となく感じていたものを、何故そう感じたのか、何故違うのかを理解する事が出来、改めて日本という国の成り立ちを再確認させていただきました。

 

また、ご参加いただいた皆様からご感想をお寄せ頂きましたので一部ご紹介させて頂きます。

◉ 日本文化に触れるたびに日本人で良かったと思うのですが、本日先生のお話を伺い、さらに強くそう思いました。

人との関係性の違いで、日本も「集団主義」ではなく「個人主義」在り方が違うだけ、ということも目から鱗でしたがとても納得いたしました。人に甘えることができるのは、人を信じて委ね、何か起きても許せるということで日本人は懐が深く心が柔軟で、それは一番強いということかなと思いました。世界中が日本人なら戦争は起こらないのに(笑)先生の御著書もぜひ拝読させていただきたいです。ありがとうございました。

◉ 大変興味深く拝聴させていただきました。どうもありがとうございました。

日本は、住民がほぼ日本人という奇跡のような国で、あうんの呼吸や察する文化、人情味がある素晴らしい文化と思います。井上先生のお話を聞いてあらためて日本人に生まれたこと嬉しく思いました。

私はアメリカで暮らしておりますが、この国にはいろんな人種、ルーツやバックグラウンドを持つ人たちがいる多様文化の国ですので、自分と他の人は違う、違って当然というスタンスで明確に言葉にして伝えないとお互いの常識がまったく違うので気が抜けません。井上先生がおっしゃっていた不信という言葉に大きくうなづきました。今ではこの多様性も素晴らしいと思うようになりましたが、仕事上でもサービスでも日本人の正確さや気配りは世界一といつも思っています。外の文化を知ることが日本をもっと知ることにつながるというのは本当ですね。ぜひ先生のご著書も拝読させていただきたいと思います。

 

さて、次回は、

・第4回目 10月15日(土)「日本庭園の見方と楽しみ方」

講師は、庭園デザイナー  烏賀陽 百合氏です。

今回は、京都烏丸四条近くの町屋からお届けいたします。オンラインも同時配信いたしますが、京都も庭園巡りや観光に良い季節ですので、先生からおすすめスポットを伺えそうです。

お申し込みの詳細は、近日中にお知らせいたします。皆さまとお会い出来る事を楽しみにしています。

では、次回もお楽しみに!

 

HITOTOKI/小川・山田・中辻

【第二回 アフターレポート】

6月18日(土)

HITOTOKI 第2回「暮らしの和文化セミナー」を開催いたしました。
ご参加いただいた皆さま 誠に有難うございました。
テーマ「日本人の色彩観」をご講義いただきました能口祥子先生には、
豊富な色の知識を体系的にお話しいただき、『欧米諸国と日本の美意識の違い』
『色彩史や時代に作られる色名の成り立ち』など、興味深い内容が盛りだくさんで、もっと深掘りして聞いてみたいとのお声をお寄せいただきました。
ご参加いただいた皆様からご感想をお寄せ頂きましたので一部ご紹介させて頂きます。
◉ 変わりゆく四季のなかで移ろう景色や色を美しいと感じ、 愛でる心のありようが、日本の色である、という教えをうけたことは一生の宝です。 ありがとうございました。
◉山や川、海に囲まれた環境で培われた感覚が色彩の分野にも反映されているのだなと改めて感じました。情報と物にあふれた現代では、自然と向き合って気付く機会が減ってしまっていると思います。いろいろな形で先人が気付いてきたことを学んでいきたいと思います。
Q&Aのコーナーでは、先生がお召しの お着物の配色についても触れていただきました。とてもチャーミングで素敵な お声と話し方で、和やかな雰囲気にして頂き、感謝いっぱいの気持ちでございます。先生、ありがとうございました!
尚、セミナーの開催直前までお申込みをいただき有難うございました。
上手く参加できなかったという方もお有りだったようで、誠に申し訳ございませんでした。さらに改善を図ってまいります。
今後ともよろしくお願いいたします。
HITOTOKI/小川・山田・中辻

【オープニングイベント アフターレポート】

4月9日(土)
HITOTOKI第1回「暮らしの和文化セミナー」オープニングイベントを開催いたしました。ご参加いただいた皆さま 誠に有難うございました。
テーマ「日本人の美意識」をご講義いただきました前﨑信也先生には、
限られた時間の中、大学の授業さながら、エネルギッシュに語って頂きありがとうございました。
ご自身のご経験を交えた“ 海外から見た日本 ”という視点、”日本の美や日本文化 ”を定義付けることとなった出来事 などに触れた興味深いお話しでした。“美意識”という価値観も時代とともに変化するものだ ということも印象的でした。
ご参加頂いた皆様からも「ジャポニズムについて」、「NFTについて」など・・・それぞれの関心にあわせた多彩なご質問を頂き、また先生もサービス精神旺盛に丁寧にお応え下さりセミナー全体を盛り立てていただき おかげさまで楽しいセミナーになりました。ありがとうございました。
尚、セミナーの開催直前までお申込みをいただき有難うございました。上手く参加できなかったという方もお有りだったようで、誠に申し訳ございませんでした。改善を図ってまいります。今後ともよろしくお願いいたします。
そして前﨑先生 教授就任おめでとうございます!
また12月にお目にかかれることを楽しみにしています。
HITOTOKI/小川・山田・中辻