祇園祭が京都の街に戻ってきました。
鉾町(祇園祭の鉾や山を保存・運営されている町内衆)の方たちだけでなく、京都の人、近隣の人、京都ファンの方なら誰しもこの3年。待ち詫びたことでしょう。
私もその一人です!
7月1日から始まり31日の「疫(えき)神社(じんじゃ)夏越(なごし)祭(さい)」まで丸々1ヵ月通して祭事が行われる祇園祭。
いよいよ明日17日、三年ぶりの前祭(さきまつり)の巡行が行われます。
こちらは“長刀鉾”。古来より「くじ取らず」で巡行の先頭を行く鉾であり、鉾の中でも唯一生(いき)稚児(ちご)を乗せ、左右に2人の禿(かむろ)を従えることでも有名な長刀鉾の今年7月12日の「曳き初め」の様子です。
「エンヤラヤー」の声と共に鉾を試し曳きする本番さながらの光景に沿道から一斉に拍手が沸き起こります。
動く美術館とも言われる「祇園祭の山鉾」は、時代の織物や組紐、美しい装飾の鋳物や漆細工などで飾られ見る人を魅了します。そこに囃子方の奏でるお囃子が加わると一気にお祭りムードが高まります。
そもそも
祇園祭の由来は今からおよそ1,100年前、平安時代に京都で流行した疫病を鎮めるため、神泉苑にて66本の矛をつくり疫病の退散を祈願したのが始まりです。
現在、前祭(さきまつり)には、9基の鉾と14基の山。後(あと)祭(まつり)には、1基の鉾と10基の山。の34基が巡行します。山鉾それぞれに謂れがあり、そのご神体を含めた物語には先人の願いが宿っていることを感じます。機会があれば、宵々山(よいよいやま)(巡行の2日前)の夕方にお越しください。まだ人が少なく山鉾をゆっくり見て回るのにおススメですよ。
また、それぞれの山鉾でつくられ販売されている「粽(ちまき)」。
この粽は厄病・災難除けのお守りです。
京都では、その年の粽を玄関先などに飾っているお家が多くみられます。神仏と共にある暮らしが息づく街であることもこの時期感じることのひとつです。
山鉾ごとに違う御利益があるので、自分に合った粽を探して回るのも祇園祭の楽しみですね。
コロナが未だ終息しない中、世界情勢も不安定な日々が続いています。
お祭りができることの幸せも噛み締めつつ、
この祇園祭では一日も早いコロナの終息と世界平和を祈りたいと思います。