第14回アフターレポート

3月29日(土)14:00~15:30
令和6年度 春 【 第14回 暮らしの和文化セミナー 】 を開催いたしました

テーマは『草木染と織の世界”その魅力 』

桜がほころび始めた京都・国際交流会館には、
HITOTOKI始まって以来のたくさんの現地参加の皆様にお越しいただき、高揚した空気の中セミナーが始まりました。

志村昌司様は、“紬織”の人間国宝 志村ふくみ様のお孫さんにあたります。
昨年100歳をお迎えになった志村ふくみ様や、お母様の洋子様の芸術精神を継承する染織ブランド・アトリエシムラの代表であり、芸術学校・アルスシムラの特別講師を務める傍ら、展覧会の企画や講演、文筆活動を通して「染」と「織」の奥深い世界をご紹介されています。

そんな志村様に、今回は
1 草木染め
2 心象風景を織る
3 美と祈り
という流れでお話を伺いました。

会場には、草木染による艶やかな生糸をお持ちいただき
その多彩で奥深い発色の美しさには驚きました。

「染める」とは、
草木の中に眠る“いのち”を移しとる作業なのだとのお話に
改めて自然界が放つ無限の「色」は「いのち」の美しさ、尊さなんだと感じました。

講義の冒頭のVTRでは、志村ふくみ様や洋子様が
糸を染める工程で、染料に生糸をくぐらせ、
それが酸素に触れると鮮やかに発色し始める様子に、
「自然界の宇宙的な神秘、科学以上の科学を感じずにはおれない」とも語られており、

“染め”という行為そのものが
目に見えないところからの“メッセージ”を受け取る行為にも思えました。
古代から続く草木染・染色が
現代を生きる私たちにとってどういう意味を持ち、どんな役割を担うのか・・・そんな問いかけを探求しながら継承されている昌司様のお話は、
歴史的な観点や、文化人類的な側面から・・と奥深く
どんどん引き込まれていきました。

また、「織り」については
志村ふくみ様の作品は、「心象風景」心の内面を時間をかけて織り込む行為なのだと解説いただきました。

遠き日の柳さんとのエピソードにも触れながら
ふくみ様の想いや、独自の表現方法にたどりつかれたお話はとても興味深く、以前よりもっとふくみ様のお人柄を近しく感じる機会にもなりました。

多くの人を魅了する作品には、ふくみ様の心の中にある風景と
どこか自分の懐かしい記憶が重なるからなのだということも教えていただき
心の霧が晴れるようなひとときにもなりました。

「染め」と「織り」を両方なさっている
志村ふくみ様・洋子様ならではの悟りに近い想いと
その想いを様々な観点から分析し解説してくださる昌司様のお話によって
“草木染と織の世界”その魅力に触れることができた、とても心豊かなひとときでした。
志村昌司様、貴重なお話しありがとうございました。

【NEWS】
・4月12日「アトリエシムラgallery&school東京・世田谷」をOPENされました。
東京方面の方に朗報です!展覧会や催し、書籍・グッズやschool情報も掲載されていますのでチェックなさってください。
https://www.atelier-shimura.jp/

【次回のご案内】
第15回 HITOTOKI 暮らしの和文化セミナーは、「アーカイブ」配信のみになります。

・日程    8月中旬予定
・タイトル 「“麹”発酵の文化とその魅力=甘酒=」
・講師    大村智則氏 (コラゾン代表)
歴史的な背景を絡めたお話と、「麹菌」の神秘的な可能性。解き明かされてきた「甘酒」の効能や楽しみ方の魅力。試飲含めお楽しみいただきます。

第13回アフターレポート

2月15日(土)14:00~15:30
令和6年度 冬 【 第13回 暮らしの和文化セミナー 】 を開催いたしました

テーマは『 京指物と和家具の文化の伝承 』

講師は、
創業より160有余年、伝統技術である「京指物(きょうさしもの)」の和家具から
その技術を生かした内装を含めた設計から製作・施工にその技術と心を受け継いできた

宮崎木材工業株式会社 7代目 代表取締役社長
宮崎 真里子氏です

会場は、京都御所近く 宮崎木材工業株式会社本社
にお邪魔して お話を伺いました

京指物とは? また 江戸指物との違いや特徴 について、写真や指物の実物サンプルを使いながら
ご説明頂きました

その技術は世界初の木造人工衛星として宇宙へも活用されたそうです

幕末に創業された宮崎木材さんの歴史は、
時代の変遷と共に歩んでこられたもので

江戸時代から、明治時代への大きな時代の変化、
天皇陛下の東京行幸による、
京都の経済や産業への大きな影響
生活の洋式変化による洋家具製作、内装業進出、

そして昭和時代の戦争や 戦後の不況など、
幾多の困難を乗り越えてこられたその歴史は
京家具の歴史 そのものでした

いくつものターニングポイントを経て、
技術を伝承しながら 進化・革新し続けてこられた根底には、すばらしい会社理念があったこと、
それを守り続けるための取り組みに尽力されてきたこと…
日本の伝統産業の歴史と未来、そしてその神髄を見せて頂いたように感じました

講座後は 2階にある 京指物資料館 に場所を移して

お話の中にあった、桐タンスの更生の実物や
使用する工具・材料

そして京家具の図案の元となる、
堂本印象、竹内栖鳳、神坂雪佳、上村松園など、
名だたる作家のデザイン原画を見ながら その説明を伺いました

実際に美しい京家具を目の当たりにして
日本の誇れる伝統産業 “ 指物 “ の素晴らしさを知りました

宮崎木材工業株式会社 宮崎真里子様
貴重なお話を 本当にありがとうございました

追記
今回お邪魔した、京指物資料館は予約制で見学可能だそうです

宮崎木材工業株式会社 京指物資料館までお問い合わせください

電話 075-222-8112
E-mail info@kyoto-t-f-museum.jp

宮崎木材工業株式会社HP
http://www.miyazaki-mokuzai.com/

“知らなかった” “見逃した” という方へのお知らせです
今からでも『 京指物と和家具の文化の伝承 』のアーカイブ(見逃し配信)をご覧いただけます。
⭐︎4月からを予定しております

詳細は、HITOTOKI事務局まで申込み・お問い合わせください
◆お申込みは、下記のリンクより受け付けております。
https://wabunka.base.shop

第12回アフターレポート

アフターレポート

9月21日(土)

彼岸を迎えようやく秋めいてきた

 京都の酒どころ伏見から

【第12回 HITOTOKI暮らしの和文化セミナー 】

をお届けいたしました

テーマは『 日本酒の魅力とその文化 』

講師は、創業350年(14代)の長きにわたり酒造りを営まれている、純米吟醸蔵「玉乃光酒造」のプロジェクトリーダー山川 結さんにお話を伺いました。

 

HITOTOKIでも初の「食文化」として興味津々の「日本酒」。当日は玉乃光酒造様の蔵元での開催というコトで「ぜひ現地で!」・・と

東京や名古屋・西宮などご遠方から10名の方がリアル参加、オンラインでもアメリカ・東京などからご参加下さり「日本酒」への関心の高さを感じました。

 

講座では、まずはウェルカムドリンクと称して最初の一種を口にしていただきながら

酒造りの流れがわかる動画を見て

・玉乃光の歴史

・日本酒の基礎知識(米・水・麹にまつわる話)

・酒造りの工程(純米酒のできるまで)

・微生物の働き

・自分好みのお酒に出会うために  ほか

を、パワーポイントに沿って、また時には「酒米(雄町・山田錦など)」の実物サンプルを用いながら

山川さんが、丁寧にそしてユーモアも交えてお話ししてくださいました。

オンラインで受講くださった方からは・・

「とてもわかりやすいお話で、日本酒についての基本的なことも、知らなかったこと

も、たくさん知ることができ、とても貴重なセミナーでした。資料も複雑な工程がわかりやすく表現されていて、目と耳から理解することができました。

原料の特徴や味を活かして造る醸造酒の中でも、人(杜氏)の技術によって造り上げることのできる日本酒は、とても奥深くて、蔵ごとにたくさんのストーリーもあり、日本を象徴するようなお酒なのだと、改めて感じます。様々な温度帯で楽しめる日本酒の燗酒については、温度ごとの名前があり

“雪冷え・花冷え”・・・など日本人らしい情緒のある名前がついていることにも驚きました。

個人的には少し勉強していましたが、まだまだ知りたいこともたくさん出てきたので、ぜひまたこのような機会を設けていただけると嬉しいです。」

とのうれしい感想が届いています。

私たちも思いは同じです。

セミナーの中では「江戸時代に、日本酒の製法が完成したと考えられる」というお話があり、科学の発達していない時代にも、先人たちは卓越した観察力や研ぎ澄まされた感性で、米・麹・水のそれぞれの声を聴きや変化を見極め、美味しい酒造りのために愛情を注いでこられた

コトに心打たれる思いでした。

山川さんたちのような若い方たちが、その思いをしっかり受け継ぎながら時代に合った楽しみ方を提案されることで「日本酒の魅力」は今世界に広がりを見せています。

磨き続けながら引き継がれる“日本のモノづくり”を知ることができました。

山川さんありがとうございました。

自分好みの日本酒の探し方や美味しい飲み方のヒントも教わりましたので今年の秋は、美味しい「日本酒」を楽しみたいと思います。

<製造している場所をチラッと見学させていただきました>

 

玉乃光様では、オンラインでの販売もなさっています。皆様もぜひチェックなさってください。>>>

玉乃光酒造公式HP:

https://www.tamanohikari.co.jp

純米酒粕玉乃光HP:

https://sakekasu.tamanohikari.co.jp

“知らなかった” “見逃した” という方へのお知らせです

今からでも「日本酒の魅力とその文化」のアーカイブ(見逃し配信)をご覧いただけます。

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第11回アフターレポート

第11回 セミナーアフターレポート投稿一覧

6月15日(土)

令和6年度 最初となる 【 第11回 暮らしの和文化セミナー 】 を開催いたしました

テーマは『 金箔の魅力とその文化 』

講師は、

徳川幕府のもと、金地金より‟箔打ち職人”としてのはじまりから300有余年続く

金箔の製造卸 堀金箔粉株式会社 取締役 堀 裕子様 です

会場は、京都市役所のすぐ近く 御池通の本社店舗にお邪魔して お話を伺いました

ご先祖様が 滋賀県から箔打ち職人として京都へ来られたお話から始まり

なぜ、京都で金箔製造が行われたのか?

そして、金沢にその製造会社の多くが移ったのは なぜなのか?

クイズ形式にして、その理由をみんなで考えていく …という

堀先生の話術に どんどん惹き込まれて いきました

金箔の色や種類は一つではない ことも、

どのように金箔を作っていくのか、その製造工程も ビデオにて詳しく拝見しました

実際に目の前で 和紙の袋に入った金箔くずの異物を取る 様子を見たときには

思わずため息が・・

そのこぼれ落ちた金の小くずを手に乗せていただいて、どうして良いかアタフタしたとき

「 手にすり込んでみてください、無くなります 」

・・・本当に無くなりました ‼

でも金は消えてなくなるのではなく、また体外へ排出されるそうです

そして昔から使われているオリジナルの包装紙を使い、和紙の紐で縛り、たくさんのハンコを押して包む 仕上げに

300年以上も続けてこられた 年月の重みと、品質へのプライドを見ました

 

最後に、金箔製造業界に携わる方々や 使用する道具への想いを伝えられ

金箔製造の伝統技術を 守り伝えながら、新たに活かす取り組みへの、

誠実なお人柄が滲み出た、熱意のこもった講義となりました

堀裕子様、素晴らしいお話を 本当にありがとうございました

ご参加いただいた皆様からも ご感想をいただきました

「 金箔は特別な人のものと思っていました 」

「 伝統工芸とその材料の技術を後世に残したいという熱い思いに心打たれました 」

「 製造業にもAIやデジタル化が進む昨今、昔ながらの職人さんの手作業での 気の遠くなるような工程があることを知りました 」

「 日本画の授業で箔を使ってから、箔や金泥に夢中で、製造されている方からお話をお聞きする機会をいただいて幸せでした 」

皆様、ご参加いただきありがとうございました

【 後談 】

食用金箔を開発されたという堀金箔さん、

絵画材料や工芸材料、美容用金箔商品に加えて、店内には様々な種類の食用金箔も販売されており、セミナー後には、参加された方々のお買い物タイムとなりました

“知らなかった” “見逃した” という方へのお知らせです

今からでも「金箔の魅力とその文化」のアーカイブ(見逃し配信)をご覧いただけます。

◆お申込みは、下記のリンクより受け付けております。

https://wabunka.base.shop/items/86044063

詳細は、HITOTOKI事務局まで申込み・お問い合わせくださいませ。

【次回の予告】

次回は9月21日(土)テーマは日本酒です! “第11回アフターレポート” の続きを読む

第10回アフターレポート

ずいぶんと日が経ってしまいましたが、

昨年度 最終講座のアフターレポートをさせていただきます

2023年12月2日(土)15:00~16:30

【第10回 暮らしの和文化セミナー】を開催いたしました

テーマは「 季語を楽しむ俳句の世界 」

講師には 「俳句博士」の異名を持ち、NHKなどメディアでもご活躍の

俳人 岸本尚毅氏 をお迎えいたしました。

1.最近の俳句

2.俳句の歴史 

3.季語・歳時記 

4.鑑賞(「文豪と俳句」)から

 

と、前半に ご講義いただき

後半は,

先生から いただいた 「落葉」「おでん」のお題で

事前に応募していただいた皆様の俳句を発表、それを講評して頂く

という流れでした

 

五・七・五 の 十七語の中に季語を盛り込み、

作者の “身の回りのこと” や “思い” を表現する俳句

作者が詠み、読者が想像する・・・

その両者から 俳句は成り立つことを知りました

応募いただいた作品講評では

や けり かな などの “切れ字” を使ったり、言葉の順番を考えたり、やわらかい言葉に代えたり と、少しの手直しで より素敵な俳句に生まれ変わる、という岸本先生マジックに

参加者は感嘆 !

 

もう少し、その自然や時の移ろう季節を感じ その時の自分の思いを 気軽に歌にできる様になりたい と思ったのでした

 

ご参加いただき、ありがとうございました。

第9回アフターレポート

アフターレポート
10月28日(土)
【第9回 暮らしの和文化セミナー】を開催いたしました。
テーマは「竹と日本の生活文化」
講 師は 公長斎小菅 代表の 小菅 達之さんをお迎えいたしました。
遠く、アメリカやカナダからもLIVEでご覧いただくなど、たくさんの方にご参加頂きありがとうございました。私たちの暮らしを見渡すと、さまざまなところで、「竹」の恩恵を受けています。
ただ、普段はあまり意識していませんね。
そんな身近にありながら知らない「竹」のことを
とてもわかりやすくお話しくださいました。
公長斎小菅さんは、代々「竹」を用いながら時代に合った製品を、産地の作り手さんとともに生み出してこられました。
そんな小菅さんだからこそ、
「竹」そのものの素材の特性を生かした
ハイクオリティーなデザイン、プロダクトを開発し、国内外に発信、
時代を超えて愛され続けるロングセラー商品を発表されています。
今回はそんな商品も
実際にコーディネートさせていただき
竹の魅力を語っていただきました。
・「木」と「竹」違いや特性。
・「竹」だからこそできる
  加工や生み出せるカタチ。
・編み方の違いによる表現方法。
・商品開発のストーリー。
等 なかなか普段はお聞き出来ない、興味深いお話しでした。小菅さんありがとうございました。
益々のご活躍をお祈りし、楽しみにしております。
視聴いただいたみなさんからも
・「竹工芸の変遷や、新たな竹の可能性を感じ面白かった。」
・「竹製品ステキですね!お店行ってみたいです~!」
・「いろいろ学べて面白かったです! これからは、竹製品の”網目”チェックします!」
・「空間とコーディネートに、おしゃれな竹製品がマッチングしていて竹製品の印象が変わりました。」
・「干支の箸置きとお箸欲しくなったので、買いに行きます!」
 等 コメント頂いております。ありがとうございました!
会員の皆様には、動画の編集をしてアーカイブにUP致しますので
ご案内させていただきますので、今しばらくお待ちください。
■当日限定・無料ライブのご視聴については下記をご覧ください。
 (★ HITOTOKIのフォローをお願いします。)
次回は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 第10回目 HITOTOKI 暮らしの和文化セミナー
 「俳句」をテーマに開催いたします。
■日時   12月2日(土)15:00~16:30
      (★時間の変更があるかもしれません。11月2日には最終決定いたします)
■講師   岸本尚毅 様
■テーマ 「季語を楽しむ俳句の世界」
■スタイル ハイブリッド(リアル受講&オンライン)
■場所   アカデミー千石 東京都文京区千石1‐25‐3 03(3946)4430
     (※事前お申し込み必要)
■投稿句を受け付けます。
  ●題  ・「おでん」・「落葉」
  ●期限  11月25日(土)
詳しくはまたHPに掲載いたしますので今しばらくお待ち下さい。

第8回アフターレポート

第8回 夏 暮らしの和文化セミナー『団扇と扇子の文化』
のアフターレポートです。
先日7月22日(土) 京都は祇園祭・後祭の宵々山。
町を行き交う人々が、扇子や団扇で涼をとる・・・
コロナ終息とともにそんな“日本の夏を彩る光景”がようやく戻ってまいりました。
今回は京都・岡崎の小丸屋住井様のサロンにて、リアルなお客様もお迎えして、第8回HITOTOKI暮らしの和文化セミナー『団扇と扇子の文化』を開催いたしました。
講師としてお迎えした
小丸屋住井10代目当主・舞扇子デザイナー住井啓子様に、代々受け継がれて来た団扇づくりを、どう守り、未来に繋げていこうとされているのかをお伺いいたしました。
小丸屋様の歴史は古く
1573年当時の帝より「伏見深草の真竹を使い、団扇づくりを差配せよ」との命を受け1624年に創業されました。
その後400余年。
「ご先祖から代々受け継がれた団扇や扇子づくりの技術、職人を守りたい。という熱い思い。」また「幼いころから見聞きして来た団扇の魅力を伝えたい。」その一心で幾多の試練を乗り越えてこられた道のりの中で、大切にしてこられた心根を熱く語ってくださいました。
またセミナーでは、ビデオも拝見しました。
そこには、団扇づくりの製造工程とともに、
住井様のお仕事の柱となる「舞台小道具」の製造(京都の春を彩る花街の舞台「都をどり」「北野をどり」「鴨川をどり」ほかに使われる小道具一斎など)に加えて、舞台狂言とつけ打ちもご対応される様子も伺い知ることが出来ました。
まさに、伝統芸能である日本舞踊の舞台を支え続けておられるのです。
京都の文化に留まらず、日本の文化・伝統芸能にとってもなくてはならない存在だということがわかり驚くばかりです。
セミナーの住井さんの言葉で印象的だったのは
「素直・一生懸命・純粋に・明るく」をモットーにされていること。
何ごともその心で取り組み続ければ間違いなく良い方向にいく。
そして、神仏を敬い、自らの先祖を大切にすることこそ、今をそして未来を憂うことなく
明るく、心満たされる歩みに繋がるのだというお話しでした。
現在、住井さんのもとには、「長く続ける秘訣を聴きたい」と、中国等海外からもお客様が多いとお聞きしました。
先祖を敬い、来るものを拒まず、分隔たりなく心砕いて、真っ直ぐに真心を向けて歩まれるお姿に多くの学びと生きる勇気をいただきました。
住井さんの歩みは、「団扇づくり」を通して「人としてどう生きるか」を実践されているのだと感じとても感銘を受けたひとときとなりました。
住井啓子様、素晴らしいお話しを本当にありがとうございました。
小丸屋住井様のますますの弥栄と、日本の伝統芸能の継承を心よりお祈り申し上げます。
最後に、HITOTOKIからの次回のご案内です。
●次回は 10月28日(土)14:00−15:30
テーマ:「竹に見る日本の生活文化」 講師:公長斎小菅 代表 小菅達之様 です。
古代より日本人の暮らしには欠かせない「竹」。
「竹」の持つ素材としての特性を生かし、また独自の美意識を以て世界に発信されている小菅さんから、竹文化の魅力に迫るひとときをご一緒に過ごしたく思います。
8月には詳細をHP にUP させていただきますので是非チェックしてください。
皆様のご参加お待ちしております。
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第7回アフターレポート

【アフターレポート】(感動に浸ってま~す)

4月15日(土)第7回HITOTOKI 暮らしの和文化セミナーは
「暮らしの中の伝統文化 掛軸」と題して、京都・西本願寺前  宇佐美松鶴堂 9代目 宇佐美直八様にお話を伺いました。

セミナー当日、
床の間の掛軸が、五月・端午の節句にちなんで直秀(直八のご本名)様が誕生された時にお祝いに頂かれた「兜」の絵に掛け替えられました。
そんな光景を拝見しながら、「掛軸」は、まさに客人を向かえる時の亭主(家人)の心を表現するものなのだなと あらためて気づかされたのでした。

そんな中始まったセミナー。
「掛軸」を扱う宇佐美様のお仕事は「表具・表装」と呼ばれる分野で、例えば 襖、障子、額装、天袋、屏風、衝立など和紙や裂地を貼る内装具を制作されています。また「文化財の修復」にも携わられ、博物館や社寺秘蔵の品々を手掛けられています。

その中でも、今回は「掛軸」をテーマにその魅力を掘り下げて語ってくださいました。

・そもそも「掛軸」とは?
・ 日本固有のもの?それとも・・
・「掛軸」のつくりやその呼称
・「掛軸」の分類・格付けとその意味
・ 表具表装の重要な要素「裂地・和紙・糊」について
・ 取り扱いのポイント   等など

とにかくひとつずつが、深くて面白いお話しでした。
日本の生活文化には「美」が寄り添っている。そんな印象を強く受けました。
長く続いてきたからこそどんどん知恵が積み重なり
美意識が研ぎ澄まされていくのだなと感じました。

また、表装・表具に欠かせない素材として、京都西陣の裂地、全国各地の和紙の産地・・・等さまざまな伝統産業が関わり合いながら、ともに活かしあい引き立て合う、無くてはならない存在であるコトにも気づかされたのでした。

また, 宇佐美松鶴堂様では、長年日本国内のみならず海外の後継者育成や情報交換にも力を注がれてきました。今は技術だけでなく、その精神も受け継がれた方たちとともに交流を続けながら「掛軸の文化・表具の文化」を未来に繋ごうと日々取り組まれておられることにも 心打たれたセミナーでした。

宇佐美様、貴重なお話しと資料の数々本当にありがとうございました。宇佐美様と奥様の温かいお人柄、おもてなしのお心にも学ばせていただいたひとときになりました。心から御礼申し上げます。

是非、たくさんの方に表具・表装の世界「掛軸」の魅力をお伝えしたく思います。

ココでは伝えきれない宇佐美様直伝の「掛軸」のセミナーは、アーカイブ(見逃し配信)でご覧いただけます。
(期限7月21日まで)
年会員の皆さま、また4月単発受講でお申し込みの皆さまには、大変お待たせいたしました。個別にご案内いたしますのでご確認くださいませ。

また「知らなかった!」「見逃した!」「未だ申し込めてなかった!」という皆さま。
今からでも今年度年会員(4回分)のお申し込みを頂いた方には、「掛軸」のアーカイブ(見逃し配信)もご覧いただけます。
詳細は、HITOTOKI事務局まで申込み・お問い合わせくださいませ。

さて
次回は、7月22日(土)14:00−15:30
テーマ:「団扇と扇の文化」(仮)

講師は小丸屋住井 十代目当主 住井啓子様です。

会場は、京都岡崎・神宮道 小丸屋住井(https://komaruya.kyoto.jp/)様のサロンでオンラインと同時にリアル受講も企画いたします。

丁度、祇園祭の先祭と後祭の狭間の土曜日、夏の京都で楽しいひとときをご一緒しませんか?皆様のご参加をお待ちしております。

第6回アフターレポート

【アフターレポート】(感動冷めやらず・・長文です)
2月18日(土)第6回HITOTOKI 暮らしの和文化セミナーは
「唐紙としつらえ」と題して、京から紙 唐長11代目夫人・唐長IKUKO主宰の千田郁子様をお招きしてお話を伺いました。
「唐紙(からかみ)」と言えば「唐長」と思い浮かべられる方も多いと思います。来年で初代唐紙屋長右衛門・創業から400年を向かえられる「唐長」。
京都(=日本)で唯一続く唐紙屋として、現在までの約60年を11代目千田堅吉様とともに歩んでこられた郁子様に、インタビュー形式でお話を伺いました。
お話しのところどころに、郁子様ならではの“おちゃめなダジャレ”も登場しセミナーは和やかなひとときになりました。
ライブに参加できなかった会員の皆さまは、まもなくアーカイブをUp しますので、是非ご覧ください。
「唐紙」の魅力はもちろん、郁子さんのお人柄、生き方、心のありよう・・・も、お話しから存分に感じていただけることでしょう。
さて、少し内容に触れますと堅吉様との二人三脚の歩みは、伝統ある「唐紙」、代々続く「唐長」でもありつつ、0からの出発でもあったようです。
ただそこには、互いを思いやりながらも『“唐紙”の素晴らしさを伝えたい。』と願うお二人の熱い想いは、年月をかけながらもその後の道を徐々に徐々に切り開いていかれます。
お二人の想いは少しずつカタチ作られ、さまざまなご縁から生み出される新しい唐紙の世界観は国内外から注目され、ロンドンのミュージアムや、エルメスやヴィトンと言ったハイブランドとのコラボにまで発展していくこととなります。
唐紙のお仕事は、すべて「お誂え=オーダーメイド」です。
依頼人の想いを丁寧に汲み取りながら、文様を絞り込み、配色を決める作業は、一つとして同じ仕事はありません。お客様の想いを大切にしながら「Bestな選択だった」と皆が納得するお仕事を積み重ねてこられたお二人だからこそ、“唐紙”だけにとどまらない“心豊かな暮らし”そのものを生み出されてこられたんだなとあらためて実感したのでした。
今回は唐長・修学院サロンのお部屋を郁子様にご案内いただきました。約650種の文様と、無限の可能性を秘めた配色を掛け合わせて“唐紙”を産み出す堅吉様と、その“唐紙”を時代に合わせたしつらえでご提案をされてきた郁子様。そのお二人の心を映すお部屋の数々。郁子様の解説付きサロンツアーはとても充実した楽しいものでした。
当日のライブ配信をアメリカからご覧いただいていた参加者の方からは「サロンでのいろんな和モダンなアイディアを見て、うちの家にもぜひ唐紙を取り入れてみたい!」とメッセージを頂き、リモートでもその魅力が伝わり嬉しく思いました。
もっともっとお話しを聞いていたい・・と、後ろ髪をひかれつつあっという間の1時間30分。京から紙の魅力、唐長の素晴らしさ、郁子様の女性として、人としての魅力の詰まったお話しの数々に生きる「希望」「勇気」までいただて、ますます郁子ファン急増です。
堅吉様・郁子様ご夫妻の歩んでこられたこれまでに敬意を表し、ますますのご活躍と唐長様の末永いご繁栄を心よりお祈りしています。 ありがとうございました。
【追伸】
訪れた唐長様には、弥生三月を前に三体のお雛様が飾られていました。

千田家のお雛様、郁子様のご実家のお雛様、

 

そして郁子様還暦の折に頂かれた「還暦雛」

「三条サロンのOPENは、60歳だったんよ! 毎日走り回った日々だった・・」と振り返る郁子さんの満ち足りた素敵な笑顔が印象的でした。

第5回アフターレポート

12月17日(土)

 

HITOTOKI 第5回「暮らしの和文化セミナー」を開催いたしました

ご参加頂いた皆様、誠にありがとうございました。

テーマ:「日本人とうつわ その機能と美の理由」 

講師:京都女子大学教授 前﨑信也 様 (プロフィールはコチラから

HITOTOKIオープニングイベントの講師として皆様にもご好評いただいた先生の再登壇です。

セミナーでは “ 日本人の美意識 “ として 「侘び 寂び」 を再びおさらいしたお話から始まり

 

日本の室内空間の特徴とは?

そこでどのような道具を使ったか?

 

器と言えば伝統工芸

日本は工芸を生むのに最適な環境が揃っている

それには何が必要か?

そして産地はどのようにして生まれるのか?

などなど・・・

 

また、工芸に使われる原料を科学的な視点から考える、という先生独特なお話は

大変興味深いものでした。

最後に先生がお持ちくださった江戸時代の貴重な器を見ながらのエピソードや説明にも

釘付けになりました。

 

ご参加頂いた皆様からのアンケートには

 

「陶芸の深さ、幅の広さを知りました」

「たくさんの具体例を使っての情報をお聴きして、先生のご経験と知識の深さを感じました」

「楽しく流れるように話してくださって、よくわかりました」

 

と感想を頂き

また、印象に残ったお話として皆さんが挙げられた

 

日本の工芸と “水・気候” との関係は

 

第3回セミナー 井上先生の「自然との共生に生まれた日本らしさ」

第4回目セミナー 烏賀陽先生の「日本庭園の見方と楽しみ方」

のお話にも通じるところがあり、日本の文化はそれぞれのテーマがどこかで通じている

と感じたのでした。

 

前﨑先生、素晴らしいセミナーと貴重なコレクションをお持ち頂き、本当にありがとうございました。

これからアーカイブをご覧になる会員の皆様、是非お楽しみください。